オプション取引とは何かをなるべく分かりやすく書いてみた

オプション取引とは?オプション

実際オプション取引を始める前に色んなサイトに行ってオプションとは何なのかを読み漁ったのですが、どうもどんなものかをイメージするのが難しかったという経験があります。日本ではあまり馴染みのないオプションについてなるべくやさしく書いてみようという挑戦的な記事です。

最近ではソフトバンクのコールオプション爆買いが話題となっていましたが、オプションはニュースにも度々登場してきます。そんなときになんとなくイメージをしてもらえるようになれれば嬉しいです。

あなたは意識していないかもしれませんが、そこには広大な世界が広がっています。

なお、本記事では米国の個別株のオプションを前提とした説明としています。

オプションってなんなの?

オプションとは、特定の商品あらかじめ定められた期日あらかじめ定められた価格で買うまたは売る権利です。

普通の買い物では特定の商品提示されている価格ただちに買うのですが、オプションは未来の買い物をする権利を提供しています。

2文を読んで出鼻をくじかれた方もいるかもしれません。オプション取引を日常生活でよくありそうな場面を用いて説明してみます。

あるところにとてもゲーム好きな太郎くん(32)がいます。

太郎くんは、3か月後に発売される人気タイトルの続編「バフェットモンスター 金・銀」(通称バフェモン)の発売日をいまかいまかと待ちわびています。

しかし、太郎くんには心配もあります。バフェモンを遊ぶためには、専用ゲーム機である「Cola Boy」が必要なのですが、最近はどこのお店でも売り切れているのです。

Cola Boyは定価30,000円なのですが、ネットで調べてみると1.5倍の45,000円で売られたりしています。

バフェモンを手に入れてもCola Boyがなければ何の意味もありません。太郎くんは発売日に購入して寝ずに全クリし、SNSで自慢したいタイプの人間です。気が気でありません。

しかも最近はCola Boyの販売価格が明らかに上がってきています。45,000円は必死に貯めている貯金を使ってぎりぎり購入できる額ではあるのですが、これ以上値上がりするとお手上げです。

Cola Boyの生産を行っている会社は「まもなく店頭に並ぶようになります」と言っていますが、本当にそうなるかは分かりません。前回のバフェモン購入のごたごたで転売ヤーにやられた古傷が痛みます。45,000円を出しても買えなったらと考えると夜も眠れません。

そんなある日、いつものようにサーフィンをしているとヨロメキ電機の「今大人気のCola Boyを3か月後に45,000円で買う権利を5,000円で販売してます!」という広告を見つけます。

太郎くんは小躍りをしましたが、しだいに5,000円のインパクトが鼻につくようになります。しかし、背に腹は代えられずCola Boyを3か月後に45,000円で買う権利を5,000円で買いました。

Cola Boyを3か月後に45,000円で買う権利!これです!これがオプションです!

特定の商品(Cola Boy)をあらかじめ定められた期日(3か月後)にあらかじめ定められた価格(45,000円)で買う権利ですね。

この権利を手に入れることにより、太郎くんは何が起こっても自分が持っているお金の範囲内でCola Boyをバフェモンの発売前に買うことができるようになりました。めでたしめでたし。

太郎くんとヨロメキ電機の状況を整理すると以下になります。


太郎くん(32)
3か月後に権利を行使してCola Boyを45,000円で買うこともできるし、権利を行使しないこともできる。

ヨロメキ電機
3か月後に太郎くんがCola Boyを45,000円で買うと言った際には、その条件で必ず売らなければならない。


太郎くんは買うか買わないかを選ぶことができる。この選ぶことができるというのがオプションという名前の由来となっています。

コールオプションは、その商品が値上がりするのではと思っている人たちによって買われます。

オプションの用語
  • 原資産
    オプションの対象となる商品。
  • 権利行使価格
    原資産を買う権利または売る権利を行使するときの商品の売買価格。
  • 権利行使日(満期日)
    権利を行使できる日。満期日までの期間内でいつでも行使できるアメリカンタイプと満期日のみに行使できるヨーロピアンタイプがある。(米国個別株のオプションはアメリカンタイプ)
  • オプション料(プレミアム)
    オプションの価格。
  • コール
    買いのオプション。
  • プット
    売りのオプション。

コールの買い、コールの売りの損益ってどうなるの?

コールオプションを買った側、売った側の思惑は以下のようになっています。


太郎くん(コールオプションを買った側)
3ヶ月後にCola Boyが店頭に並ぶようになって30,000円で買えるかは正直微妙。45,000円を大きく超える値上がりも十分にありえる。

ヨロメキ電機(コールオプションを売った側)
3か月後には供給が需要に追い付いてきてCola Boyが現在の45,000円なんて高値では売られなくなる。


実はこの悪徳転売企業、ヨロメキ電機は仕入れたCola Boyはすべて売り切っており、在庫を持っていません。3か月後には落ち着いているであろうCola Boyバブルを見越して、無から売上を作るために権利を売るという手法に手を出しています。

では、Cola Boyが値上がりする未来、値下がりする未来がどうなるのかを見てみましょう。

Cola Boyが値上がりした未来

バフェットモンスターの発売日まであと1週間。太郎くんがCola Boyを購入するときが来ました。

3か月前に45,000円で売られていたCola Boyでしたが、今では70,000円を出さないと買えない事態となっています。

Cola Boyの生産が需要に追いつくことはなく、定価での販売は行われていません。「もうすぐ生産が追いつきます!」を3か月言い続けたメーカーのウェブサイトが乗っ取られ、トップページが蕎麦屋の写真に変えられる事件も起きました。

太郎くんは「初めて自分で自分を褒めたいと思います!」と叫びながらヨロメキ電機から45,000円でCola Boyを買いました。

残っているお金は3,000円。本来ならば手に入れることのできなかったCola Boyを手にした太郎くんはにっこにこです。

太郎くんはコールオプションを買っていたおかげで70,000円の価値があるCola Boyを45,000円で買うことができました。
オプション料を加味しても20,000円の利益を得たことになります。
 70,000 – 45,000 – 5,000 = 20,000

一方のヨロメキ電機は、在庫を持っていないので市場で70,000円で仕入れたCola Boyを45,000円で太郎くんに売りました。
オプション料を差し引いても20,000円の損失を被ったことになります。
 -70,000 + 45,000 + 5,000 = -20,000

権利行使日前の売買

オプションの価値は対象原資産の価値に連動して変わります。

「現在60,000円で売買されているCola Boyを1か月後に45,000円で買える権利」はいくらで買ってくれる人がいるでしょうか?10,000円でも欲しいという人がいるかもしれません。

オプション市場では権利自体が売買可能です。実際は満期まで持っている人よりも満期前に手放す人の方が多いです。

原資産そのものではなく、その権利を売買することで少ない資金で原資産の値動きによる恩恵を得ることができます。

Cola Boyが値下がりした未来

バフェットモンスターの発売日まであと1週間。太郎くんがCola Boyを購入するときが来ました。

3か月前に45,000円で売られていたCola Boyでしたが、メーカーの必死の努力により供給が追い付きました。今ではどこのお店にも並んでおり、転売をする人もいなくなりました。

太郎くんは定価である30,000円でCola Boyを注文し、オプションの引換券をのりたまのたまごぐらいの小ささになるまでビリビリに破りました。

残っているお金は18,000円。太郎くんは「5,000円あればちょうどバフェモンを買うお金になったのになぁ」と言いながら遠くを見つめて視力を鍛えています。

太郎くんはコールオプションを買っていましたが、Cola Boyは30,000円で買えるのでオプションの権利を使うことなく普通に購入をしました。
Cola Boyの購入に損得は発生しないので、オプション料として支払った5,000円の損失を被ったことになります。

ヨロメキ電機は、太郎くんがオプションの権利を使わなかったので特になにもすることはありません。
オプション料として受け取った5,000円の利益を得たことになります。

コールの買い、コールの売りの損益図

Cola Boyの値上がりや値下がりによって太郎くんが得したり、ヨロメキ電機が得したりするのが分かりました。

Cola Boyの価格によってこの損得はどのように変わるのでしょうか?コール買い、コール売りが3か月後のCola Boyの価格によってどのような損益となるかを図を用いて説明します。損益図はすべて北辰物産株式会社のウェブサイトから転用しています。

コールの買いの損益図

太郎くんは45,000円のコールオプションを5,000円で買いました。

ポイントとなるのは以下の点です。

  • Cola Boyが45,001円以下で買えるときはオプションを使わない(そのほうが安く買えるため)
  • オプションを使わないときの損失は一定(プレミアム分)
  • 利益を出すためには権利行使価格+プレミアム分の値上がりが必要
コールの買い 損益図
コールの買い 損益図

3か月後の現商品価格と損益は、上図のようになります。権利行使価格を下回ると一定の損失、権利行使価格を上回ると現商品価格に比例する形になります。損益分岐点は権利行使価格にプレミアムを足した50,000円です。

コールの売りの損益図

コールの売りのポイントは以下になります。

  • オプションが使われない場合に最大利益を得られる(プレミアム分)
  • Cola Boyが値上がりすればするほど無限に損失が拡大する
コールの売り 損益図
コールの売り 損益図

3か月後の現商品価格と損益は、上図のようになります。権利行使価格を下回っていれば一定の利益、権利行使価格を上回ると現商品価格に負比例する形になります。こちらも損益分岐点は権利行使価格にプレミアムを足した50,000円です。

実際の行われるコール売りでは、原商品を持っていてコールを売るという戦略(カバードコール)が行われることが多いです。

権利行使価格まで上がらない場合 ➡ 持ち株そのままでプレミアム分の利益を受領
権利行使価格以上に上がった場合 ➡ 持ち株を売却することでオプションの損失と相殺

プットの損益図

商品を売る権利であるプットの損益図についても貼っておきます。値動きはコールの逆を行くのでコールを押さえておけばプットについても理解することができます。

プットを買うのは商品が将来値下がりすると思っている人です。

プットの買い 損益図
プットの買い 損益図
プットの売り 損益図
プットの売り 損益図

アップル株を通してオプションの世界をのぞき見

ここまでは物語を通じてオプション取引について見てきました。ここからは実際の米国個別株のオプション取引をのぞいてみます。

おさらいになりますが、オプションは以下の要素の組み合わせで商品が作られています。

  • 原資産
  • 権利行使価格
  • 権利行使日
  • コール or プット

オプション取引ができる個別株はある程度限定されていますが、約3,000銘柄あるようです。
権利行使価格は銘柄によって刻みが異なりますが、現在値のはるか上からはるか下まで用意されています。
権利行使日は基本的に一か月に一回(第三金曜日)なのですが、取引量が多い銘柄はその他の金曜日にも設定されています。
そして、コールとプットの2種類があります。

「数やばくね?」と思いませんでしたか?

そうです。やばいんです。

アップル(AAPL)の終了時のオプション価格の状況はこんな感じになってます。スマホの方は拡大して読めるかと思いますが、PCの方は…。

AAPLのオプション価格
AAPLのオプション価格
出典:Firstrade

あまりにも小さかったので現在値近くのみに絞った画像も載せておきます。

AAPLのオプション価格(NTM)
AAPLのオプション価格(NTM)[クリックで拡大]
出典:Firstrade

上記の画像は一番設定の多い直近の第三金曜日(2020年10月16日)が満期日のオプションの画像です。

現在のAAPLの株価は$112.25ですが、オプションは権利行使価格$28.75~$250.00までコールとプットでそれぞれ151個が設定されています。そして、2020年9月25日の出来高(Volume)は、コール163,902枚、プット93,815枚が現在値を中心として幅広く分布しています。

ここで2020年9月25日におけるAAPL100株とオプション1枚での評価額(必要資金)と変動額を比較してみましょう。オプションの取引単位は1枚=100株なので、現在値(Last)に100をかけた値が取引金額となります。オプションは24日の終値に一番近い2020年10月16日$108.00コールを対象としました。

株価:2020年9月24日終値 $108.22 → 2020年9月25日終値 $112.28
オプション価格:2020年9月24日終値 $5.35 → 2020年9月25日終値 $7.25

評価額(9/24終値)評価額(9/25終値)変動額変動率
現物株100株$10,822.00$11,228.00+$406.00+3.75%
オプション1枚$535.00$725.00+$190.00+35.51%

オプションは必要資金が約1/20、変動額は約1/2です。つまり少ない資金で効率的に利益を得ることができています(レバレッジが効いている)。

もちろんレバレッジが効いているので株価が下げた場合の変動も大きくなります。(ただし、最大損失は最初にオプションを購入した金額に限定される)

オプション価格を眺めているとおもしろいことも分かります。最も高い権利行使価格として設定されている$250.00を見てみると現在値$112.28のアップル株を21日後の2020年10月16日に$250.00で100株買える権利は現在$1で取引が成立しています。しかも、出来高が205枚。$1とは言え、はるか上の価格のコールオプションを買う人がいるなんて信じられないですね。

このオプションは、満期日までいくらか時間が残されている中でその価格を超える可能性がかすかにかもしだされるだけでオプション料は10倍以上になるのは固いでしょう(10倍以上でコールの売りをしたい人が現れる)。必ずしも満期日に権利行使価格を超えている必要はありません。その雰囲気が出てきて値上がりをした時点で決済をすればいいのです。

ついでに最も先の権利行使日が設定されているオプションも紹介しておきます。AAPLのオプションでは2023年1月20日というものがありました。約2年5ヶ月先です。コールに設定されている一番高い権利行使価格は現在値の約2倍の$220で、そのオプションは$5.92で出来ていました。

少ない資金で大きなリターンを狙いたい人、持ち株を活かしてさらなる利益を積みに行く人、売りポジションのリスクヘッジをしたい人…などなど様々な思惑が渦巻く中で様々なパターンのオプションが売買されています。さすが世界中から投資家が群がってくるアメリカ、規模が違いますね。

ざっくりとしたまとめ

思いのほか長文になってしまいました。しかも分かりやすく書けたという手ごたえもあまりありません。オプション取引を始める前の自分が読んだら少しは満足してもらえるかな…(願望)

最後に非常にざっくりとしたまとめを書いて終了とします。

  • オプション取引とは権利の売買であり、買う権利(コール)と売る権利(プット)がある
  • 将来値上がりすると思う人はコールを買い、値下がりすると思う人はプットを買う
  • オプションによってハイリスクハイリターンやローリスクローリターン、まさかの際のリスクヘッジなど様々なことが行える

読む前に比べて少しでもオプションのイメージを掴んでもらえていたら嬉しいです。

ご意見、ご感想、その他もろもろ何かあればリプください!

最後までお読みいただきありがとうございます!
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無能投資家の苦悩

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